英検1級受験レポート

高校生以来、足が遠のいていた英検

いつか気が向いたら受けようかなと思ってはいたものの、

そんなに気にかけていなかった存在でした。

 

というのも、大学に入ってからは北米への留学に必要なTOEFL一色。

TOEFL(トーフル)の方が難しいと思いこんでいたし、

以前英検1級はTOEIC(トーイック)900点と同等と聞いたことがあったし、

…ということは、英検は受ければ受かるのかなと思っていました。

 (そもそも良く考えればTOEICは「聞く&読む」のみで、英検とは根本的に違う。)

 

今は、過去の非礼を全力で英検さんに謝りたい。

今まで、知りもせず、受けもせず、軽く扱って申し訳ありませんでした…。

英検1級は手強かった!!

そして1級所持者の先輩方はすごいのだなと実感…。

 

 

個人的に辛かった点

・見たことも聞いたこともない語彙の数々

・TOEFLより難解な読解

・得点源だったはずのリスニングでのブリティッシュイングリッシュ比率の高さ…(苦手)

そして

・何と言っても合格基準の厳しさ。何であの内容で正答率75%なのよぉ〜! *毎回若干変動します 

 

 

以下は、私の英検1級受験奮闘レポートです。

 

春に、

「英語一本で身を立てると決めたからには、英検1級くらいは持っておかねばならぬか」

と重い腰を上げた私。

この時の自分は無知で勘違い野郎でハッ倒す必要があります

 

 

語彙セクション

 

試験も問題集も語彙のセクションから始まるのが、まずは第一の洗礼です。

問題集を開いても、難しくて勉強のやる気が削がれる削がれる…。

それでもめげずに問題集をやり進めていくと、長文は語彙問題に比べると難解な単語ばかりじゃないと分かるのですが、そこにたどり着く前に、問題集を閉じてしまう危険性があります。

malignant tumor(悪性腫瘍)とか、今まで出会ったことなかったよ…。いや、でも日本語ではみんな知っているレベルの語彙だし、やっぱり必要な単語だと分かってはいるんですけど。

今まで私の人生と交差することのなかった単語との格闘の連続。

1300語くらい覚えましたが、それでも試験問題で「これが答えだ!」と選べることは少ないという現実…。

実は、私は語彙力が高くありません。しかし意味を予測するのが得意で(語彙が醸し出す雰囲気があるのです)だいたい2択には絞れます。そして…あとは確率50%にかける!! *^_^*b

 

読解セクション

多分今まで受けた英語試験の中で、一番の難易度です。

TOEIC(トーイック)は文章自体は難解ではなく、難しいのは大量にある問題を早く読んで制限時間内に終わらせることです。

TOEFL(トーフル)は、北米の大学で渡り合っていくために必要とされるレベルの内容でTOEICよりも一つ一つの長文が長くアカデミックな内容になっていますが、まだ英語学習者向けな雰囲気があります。

英検は、容赦ない感じ。「容赦ない」というのがしっくりくる。大人の母語話者向けな雰囲気。読んでいて致命的に迷子になることがあります。

 

作文セクション

時事的な内容(「国際的なテロは根絶できるか」等)に関して、いっちょ意見を書け、と言われます。

「以下から3つに触れなさい」と論点(経済的不平等、歴史的背景、国際関係、武力行為 等)を与えてくれるのは、とっかかりのために助かります。 ※2016年からこの論点の提示はなくなっています

…が、英語力だけじゃなくて、いろいろ問われるところが辛い

 

また、パソコン上で英文を書くことが多い現代、鉛筆と消しゴムで勝負せねばならぬのもまた辛し。

タイプばかりしていると、タイプはできても書けないとか起こるのです…。タイプをイメージしてみてスペルが出てきたり。

そもそも、私は普段からスペリングが怪しい。伝わればいいのよ伝われば、という普段の態度も災い。

しかし!

分からない単語から逃げられないリーディングやリスニングと違い、不確かな単語は回避できるし、そもそもスペリングミスによって致命的な失点には至らないはず!(と信じて取り組む)書きなぐって汚くても、失点には至らないはず!(と信じて制限時間内に書きなぐる。)

英文の論述の型を外さないようにしつつ、とにかく知っている安全でかつ最大限に賢く聞こえる表現を使う。ここら辺の塩梅が個人的に難しい。

 

私自身が受験した際には、まだ出会っていなかった本ですが、このライティング対策のために大変ためになる本を発見しました。1級レベルで問われうるテーマにおける賛成反対の両方からの論点を提示している本です。1級の対策をされている皆さん、よかったら参考にされてください。

 

リスニング・セクション

私が勉強に使った問題集のリスニング問題はアメリカ英語だけだったので、

「結構いける!リスニングでなんとか稼げるかも!」と希望を持っていた私。

 

英検の本番では、全然点数が伸びませんでした。

 

英語はアメリカ英語だけじゃないですものね・・・。

発音が違うだけで、理解度にこうも差が出てしまうというのは、確かに良くないです。

けれども、日本は問題集も学校教育もアメリカ英語が主だから、なかなか教材自体が少ない。

いろいろな国の英語が聴けるサイトを発見しそれを活用して私は対策をしたのですが、現在使えなくなっていました。すごく良かったのに…(english listening)
代わりにイギリス英語が聴けるところとしては、Bristish Councilのサイトがあります こちら

 

以上、このような感じで学習を進めたのですが、

結論から言うと、私は一次と二次、それぞれ1回ずつ「出直してこ〜い!」されました。

かっこよく1回で決めれたらよかったのですが…、いろいろ勉強になりました。かっこよく決められないのも私です(笑)

 

2次試験 スピーキング・セクション

 

試験内容

・5つのトピックが書かれた紙を渡される

・1分以内にそこから一つ選んでスピーチを用意。

・2分間話す

・話した内容について、ネイティブと日本人の面接官からいろいろ質問される

 

評価基準は (100点満点)

・スピーチの出来(30点)

・面接官とのやりとり、質問に対する応答(30点)

・文法と語彙力(20点)

・発音(20点)

 

チャレンジ1回目(大阪)…そもそも、二次試験が大都市でしか受けられないなんて聞いていない!!

面接官は、この人は絶対英語のネイティブに違いないというほどの完璧な英語力の日本人(ちょっと高圧的)とネイティブ(眉間にしわの男性)の二人。

トピックカードを見ると。

最初の3問は、全然言っていることすらわからない。本当に全然わからなかった。

4問目、Is social class still relevant in this modern society?

と5問目、Do you think the government is preparing enough to prevent cyber attacking?

は、かろうじて話せそうか…。それでも、サイバー攻撃に対する会話を、2分も自分にできるとは思えず、「社会階級の現代社会におけるrelevant性について」で行こうと決める。…でも、このreleventが曖昧で、「今も存在している」的なニュアンスなのか、「機能している」という感じなのかを迷いに迷う。面接官に「あの〜relevantってどういう意味でここでは使ってますか?」と質問したい気持ちにかられるが、「relevantも分からないのか、減点!」となりそうだし、そもそも教えてくれるわけがないし…、とグルグル考えているうちに、すぐにスピーチ開始の時間となる。(後からネイティブの知人に聞くと、relevantは意味が曖昧だから、自分で決めて勝手に解釈して話したらいいよと言われる。そういうものなのね…。)

「では、選ばれたtopic 4について話してください」と言われ

「はい、答えはYesだと思います。え〜、イギリスのような階級はありませんが、日本でも富裕層と貧困層との経済的格差が広がっていてですねえ…。」

と話し始めたはいいけれど、それ以降ほとんど話が続かない。沈黙ができてしまい、なんとか身近な話題に持ってこようと、

「経済格差を埋めるのが教育の役割でして…、私は教育に…」と話し始めてタイムアップ。(本当にほとんど発言していない。そもそも発言することが思いつかなかった… ;_; )

面接官も、私から何とか英語を引き出そうと、

「日本社会のことは分かりましたが、あなた自身の意見についてはどうですか。」と言ってくれるが(そう、全然自分の意見を言っていなかった私)、自分と社会階級を結び付けられず、うまく答えられない。

その他の質問にもなんとか言葉を絞り出したものの、これで受かったら英検の質を若干疑うぞ、と言う出来栄え。

案の定、不合格。

ところが、結果詳細を見ると、合格点までなんと、あと3点。

意外にあの仏頂面の試験官さんたちはいい人だったのか?

 

 

チャレンジ2回目(京都)

何度も受けてみると、いろいろなことがわかりますね。

まず、試験官によってタイプが全然違う。

ネイティブの試験官が、とにかくにこやかで優しい。日本人の面接官も前回に比べて親近感のわく英語力!(笑)

そして、トピックの難易度が、前回に比べて拍子抜けするぐらい簡単でした。

こんなに同じ試験で難易度が違っていいのかと思うほど…。トピックカードは何種類あるの??

5つとも話題が前回よりとても身近で、どれでもそれなりに話す内容が見つかりそうでした。

私は以下のトピックを選びました。

Does mass media have a positive influence in the society?

私の回答は以下の通り。

ちなみに結果を先に言うと、スコアは

・スピーチの出来(30点)において、  18/30 だったので、そんなに評価の良いスピーチではありません。

” Yes, I do think so. Without mass media, like newspaper, TV, internet, or even twitter nowadays, we obviously can’t get information easily. So in the sense we need those mass media to get information, mass media has a positive influence in the society. However, these days, I have this feeling that TV programs broadcast this certain type of programs all the time. For example, the theme is something like how amazing Japanese cultures are, or how amazed foreign people are about Japan. I think it’s too much.  I think it almost looks like we do it to make ourselves feel better about ourselves. I think it actually shows how much Japanese people are unconfident(書き起こしてみて初めて知りました。こんな言葉存在しないのね。勝手に言葉を創作していた私。) about ourselves. So, yes, mass media does have a positive influence, in the sense that without it we can’t get information easily. But at the same time, we have to be careful not to be affected by what mass media tells you.

こんな感じで、とにかくいっぱい喋ったので沈黙もなく、スピーチ自体もだいたい2分で終わったと思います。

余談ですが、ストップウォッチを持って時間を計ってくれていた大学生っぽい女の子が、私が話している間、終始小さくしかし力強く、「うん。うん。」と深く頷いてくれていたことに、大変心を支えられました。ものすごい良い子!!

 

…しかし我ながら、これまでメディアについて普段から思っていた不満をただぶちまけただけで、そんなに首尾一貫していないし、アカデミックでもなく若干カジュアル…。スマート路線で行った前回に比べ、自分の意見を言いすぎかもしれません。でも結果は、前回は12点だったものが18点なので、これでも6点上がりました。

今になって思うのですが、18点でももらいすぎかもしれません。Mass mediaはpositive influenceがあると考えるそのサポートの理由を「メディアがないとそもそも情報が簡単に得られない」の1つしか言えてないし、その理由も今思うとどうかと思います。もっと何かなかったのか自分。しかもそれ以外は最近のメディアに苦言を呈すると言う内容ですから、全くメディアがポジティブだと言う意見のサポートになっていません。18点も頂いてありがたや。

 

 

試験官(ネイティブ)からの質問は、

I don’t watch Japanese TV programs, so I don’t exactly know about those TV programs you are talking about. Would you explain it for me?というようなことを聞かれました。

私だって、そういう番組が好きじゃないと言っているくらいなので、あまり見ておらず(笑)  以前見たことがある番組について話しました。

For example, mmm,  ask foreign visitors at the airports about the reason why they came to Japan, and broadcast their answers, and they are always about how much they love Japanese cultures or how great Japanese traditions are.

次に、日本人の試験官からは、私の知らない単語を使って質問があり、…なんと今回私は、その意味を聞くという交渉に出ました。対話だったし、気づいたら自然に聞いてしまっていました。

I’m sorry but I don’t know what (覚えてない単語) means. Would you explain what it means, please?

すると、面接官の方が、意味はさすがに教えてくれませんでしたが、その言葉を文脈をもっとはっきりとさせて、分かりやすくした上でもう一度聞いてくれました。(超高度なテクニック。さすが面接官です)そのおかげでなんとなく意味がわかり、何とか答えることができました。

その他、「ツイッターはどんな風に利用されるんですか」というような話も出て、完全に個人的な使用方法の話(いかにtwitterで得られる趣味の情報が素晴らしいか)をつらつらと話しました。この時に、さっきの性格の良い大学生は頷くのを止めました。あれ、おかしいな…共感してもらえず。

 

後日結果を見ると、

・面接官とのやりとり、質問に対する応答(30点)において、  24/30

これは大きい!意味が分からなくて交渉しても評価が下がるというよりは、やりとりとして評価されるのかもしれません。もしくは、超内容が良くてパーフェクトだったのが、質問したために6点減点されたとも考えられるけど、まあないでしょう!(笑)

 

結果は (前回57 →76/100点満点)

・スピーチの出来(12 → 18/30点)

・面接官とのやりとり、質問に対する応答(15 →24/30点)

・文法と語彙力(14 →16/20点)

・発音(16 →18/20点)

 

3月4日、合格通知が届きました。嬉しい〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

ものすごく嬉しい!!

 

Certificate

英検CSEスコア

 

知ってましたか?

なんか合格バッジというものもあるらしいです。(¥1,100)

バッジ買っちゃおうかな、というほど嬉しい〜!(笑)