動詞の現在形は本当に「現在」形か
英語を習う一番初期の段階で教わる現在形
数ある時制(時の表現は他にも過去形、未来形、現在進行形、完了形などがあります)その中でも、この現在形ほど、ちょっぴり世間から誤解されている時制はありません。
現在形の意外な知られざる姿を、紹介したいと思います。
さて、さっそく問題です。
過去形は過去のことを表し、未来形はこれからのことを表す。じゃあ現在形は?
今のこと……?
現在形の文って、いつのことを表しているのでしょうか。本当に「今のこと」なんでしょうか。「今のこと」って「現在進行形(〜している)」じゃなかったっけ?・・・ということで、現在形の真の姿を紹介していきます。
では、私が自分に関する現在形の文をいくつか挙げてみます。
I am Japanese.
I teach English, and I like it.
I don’t eat breakfast, but I never miss dinner.
さあ、現在形はいつのことを表しているのでしょう。
今・・・確かに現在のことも表しています。でも今だけだと少し不自然ではないですか?
私は(今)日本人です。 (前まではどうやったんや)
(今)英語を教えています、楽しいです。(今、この瞬間私はこの文章書いてます)
朝食は(今)食べませんが、夕食は逃しません。(何が言いたいの?)
実は、「現在形」が表しているのは、「現在のこと」ではなく・・・
普段のこと、いつものこと、今までもこれからも変わらず続くこと、もしくは簡単には変わらないことを表すのです。
現在形はもしかしたら「普遍形」もしくは「普段形」と改名した方がいいかもしれません。普段形はちょっとカッコ悪いですかね・・・
I am Japanese. (これまでも、今も、これからも日本人であることには変わりありません)
I teach English, and I like it. (英語を教えているのは今というより、日常的にしていることです。つまり仕事とも言えます。それが好きな気持ちも簡単には心変わりしません。)
※英語では大人同士が、What do you do?と言うと「普段何しているの(→お仕事は?)」という意味になります。
I don’t eat breakfast, but I never miss dinner.(普段から抜く習慣が身についちゃっているのです。今日に限ったことではありません。)
「現在形は、今の話ではない!」それを初めて知った時は衝撃的でした。今の十代の学生はきちんとここら辺も教えてもらっているのかもしれませんが、少なくとも私たち世代はこうは教えられてきていません。現在形は、今の話だとずっと思ってきました。でも実際の姿は違ったんですね〜。
現在形、・・・いや、「普段形」の真の姿、より多くの人に届くといいなぁ^^