日本を外から見るということ

日本を外から見るということ

この夏、海外に留学することが決まった大学生が、レッスンでこんなことを話してくれました。
 
「日本を外から見てみたいです。そうすることがとても大切だと思う。そうじゃないと、日本の国の中だけでの『常識(認識)』しか知らないで、盲目的になって自分はダメになってしまうかもしれない。
 
そんな風に日本にいながら気づいた彼女は素晴らしい。
 
そして彼女の言葉を聞いて、私も振り返りました。
 
私が10年来大切にしている格言
   Those who know only one country know no country.
「一つの国しか知らないことは、どこの国も知らないことと同じだ。」
 
初めてこの言葉を聞いた時は留学前で、
「いや、少なくとも日本は知ってるから、一つの国は知っているでしょう」
と思っていました。
 
国を出てみて、身にしみて分かったその意味。
 
私たちは、開かれた心を持って、国と国を比べてみて初めて、本当の意味できちんと自分の国が見えるのだということ。
 
人間として同じ根っこの部分、
違う国民として文化的に違う部分。
何が人間にとって普遍的で、
何がお互い尊重すべき文化なのか。
当たり前だったことが当たり前じゃなかったり、
当たり前なことはやっぱり当たり前だったりもします。
それを認識して、意識することはとても大切だと思います。
 
そして日本を客観的に冷静に見ることは、例え留学をしたことがなくても、海外旅行に行ったことがなくても、心を開いて、興味を持って情報に耳を傾けることによって可能です。
 
例えば、違う国のyahooをトップページに設定してみたり、
ニュースの国際欄も見たり、
日本語だけじゃなくて他の言語で検索をかけてみたり、
Wikipediaの同じページを違う言語で見たり。
 
聞いてて気持ち良い日本に関する評価は、本当に客観的なのか、日本人による日本人のためのものではないか、気にかかります。
 
日本しか知らずに(つまり日本自体も知らずに)日本が一番良い国だと断言する子供が気になります。
 
場合によっては、大人も「外国人も日本が一番だとみんな思っているだろう」とすら勘違いし始めているのではと思う節があります。
 
「日本を外から見てみたいです。そうすることがとても大切だと思う。そうじゃないと、日本の国の中だけでの『常識(認識)』しか知らないで、盲目的になって自分はダメになってしまうかもしれない。
 
彼女の言葉に襟を正されます。